動脈硬化予防
 

 

 

糖尿病

 

糖尿病の患者数は年々増加しています。平成19年度の国民健康・栄養調査の結果によると

糖尿病の方は、890万人との事です。その予備軍は、1320万人と言われています。

一方で実際に治療を受けている患者さんは約247万人という報告もあります。多くの患者さんが病院を

受診されていないと予測されます。

 

わが国の糖尿病および糖尿病予備軍の推定患者数の推移 国民健康・栄養調査(厚生労働省)

 

 

ところで、糖尿病とはどのような病気でしょうか?

”尿に糖が出る病気”と書きますが、その本体は血糖値(血液の中の糖の値)が正常より高いことに

あります。血糖値が高いため、尿中に糖が出るのです。

 

では、なぜ血糖値は高くなったのでしょうか?

それは、インスリンに鍵があります。人は、血糖値を下げるホルモンはインスリンのみです。

インスリンは、膵臓より分泌され、細胞に糖を吸収させる働きがあり、その結果として血糖値が下がるのです。そのインスリンが

様々な原因で少なくなったり、あるいは効き目が落ちてくることで、血糖値が本来の値より上がってくるのです。ところで、血糖値は、

空腹時に低く、食事をすると上がってきます。

その値は、正常の人で、60mgから160mg/dlの間です。糖尿病の人は、その値が上がってきます。

 

 

糖尿病は、多くの場合 ”正常型→境界型糖尿病→糖尿病” と進んでいくと考えられます。

※空腹時血糖値が正常範囲の人にも境界型あるいは、糖尿病型の人がいます。診断の為には、糖負荷試験が必要です。

 

 

ところで、糖が正常より高い状態が長く続くと、どうしていけないのでしょうか?

それは、糖自体に糖毒性があり、血糖値が高い状態が続くと血管や神経を直接障害すると考えていいでしょう。

そのことより、いろいろな合併症が生じてきます。

 

境界型糖尿病の状態で、あれば安心していいのでしょうか?

実は、この時期でも大血管症(心筋梗塞、脳梗塞など)のリスクが高まってきます。特に、この場合は

後述するメタボリック症候群に合併する事があり注意が必要です。

いづれにしても、糖尿病は、その予備軍(境界型糖尿病)の時期から積極的な治療が望まれます。

 

さらに病状が進むと、糖尿病へ進行します。

糖尿病状態が長く続く事で、細小血管症が起こってくる場合があります。

それが、糖尿病の三大合併症です。

当然、糖尿病早期からの治療で未然に防ぐことができます。

 

ところで、

ヘモグロビンA,-Cという検査が、糖尿病の診断、治療判定に重要で、ヘモグロビンA,-Cは過去1-2ヶ月の血糖の平均点であり、

ヘモグロビンA,-Cが6.1%以上であれば、糖尿病の可能性がかなり高いと考えていいようです。

 

繰り返しになりますが、下の表のように、境界型糖尿病でも動脈硬化が生じてきます。さらに、高血糖が続くと心筋梗塞などの

リスクが高くなります。また、糖尿病の状態が長く続くと細小血管症(神経症、腎症、網膜症)などのリスクが高くなります。

境界型糖尿病からの治療が動脈硬化の進展、糖尿病への悪化を予防します。しかし、メタボリック・シンドロームの場合は、

境界型糖尿病であってもその他のリスクファクターが重なると狭心症、心筋梗塞のリスクが急激に増加し、注意が必要です。

 

最後に隠れ糖尿病について説明しましょう。空腹時血糖が正常でも、境界型あるいは糖尿病型の人がいます。

それが隠れた糖尿病です。診断には、表1のように糖負荷試験が必要です。

 

【参考資料】日本糖尿病学会編;糖尿病治療ガイド2010

(表1) 【空腹時血糖値の考え方】

 

(表2) 【糖尿病の判断基準】

 

(表3) 日本糖尿病学会が推奨する糖尿病の臨床診断のフローチャート

 

 

 

 

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